施主たちは、車で、私は武蔵野線で現地に向かった。案の定、車は渋滞し、待ち合わせ時間に彼らは現れず、一人で店内を回り始めた。
イケアの家具は、安くて質がよいと評判だったが、私としては一度も行ったことがなかった。何の当てもなく漫然とショールームを見始めたが、確かに価格が安い。「なんでこんな値段で売れるの?」というものが多く、これなら混んでいるのも納得できる。
しばらくすると、「なに!?」と大声を出したくなる照明器具が展示してあった。イサム・ノグチの「AKARI」シリーズに似た照明器具である。ホームセンターなどでもこの「AKARI」に似て非なる商品は売っているが、イケアの価格は1,110円!。セードだけだと45pは420円である。
そもそも個人的に、照明器具は「ヤマギワ」か「山田照明」からしか選んではいけないと教えを受けていたので、今回の住宅の和室の照明には当然のように「AKARI」を選んでいた。施主に金額のことをいうのもイヤだったので、これは竣工祝いに送ると伝えていたのだ。
そのため、先日ヤマギワに注文したばかりだった。天井高さが高いので、コードを標準の80センチから1.5mに変更してもらう必要があった。ついでに自宅のAKARIが破けてしまったので、セードも注文した。
AKARIだと、本体価格8,800円+コード加工費4,900円 セードのみ6,200円 しかも 特注ということで納期が未定だった。
イケアのはコードの長さも1.8mある。でも、絶対品格と品質は違うんだ!という固い信念と多少の後悔を持ちながらさらに見ていると、施主様ようやくご到着!
振り出しに戻ってはじめから見始めると、AKARIのところで、「これと似たヤツが和室に付くんだろ」と来た。「似て非なるものだよ。価格だって10倍以上するんだぞ!」と言ったところで、理解なんかしてくれないよなぁ・・・。
あまりに悔しいので、参考に一つ購入した。すると、「これを竣工祝いにするなよな」といわれ、「これは自宅に実験的につけるの!」と切り返す。
で、付けたのがこれ。
確かに高いところに付けると「AKARI」のロゴも見えないし・・・。色もオリジナルに比べると白すぎるのだが、しばらくすれば、馴染んでしまう気がする。
イサム・ノグチよ、草葉の陰から何とか言ってくれ!
その後、施主が気に入ったという居間に付ける照明器具を見て、私も良いと思ったので購入した。ライティングレールに片側3つづつ付けようということになり、合計6つ購入したのだが、一個1,500円。
ヤマギワで選んだらいくらになったことやら・・・。
やはりローコスト住宅は難しい!
今まで家具といえば家具屋かホームセンターしか行ったことがなかった私にとっては驚きでした。
キッチンや洗面台など保証の面で多少の不安はありますが、安くてお洒落な家具を探すには最適かと思いました。
できれば家を建てる前に設計者と施主がイメージ作りに行くのもいいのではないかと思います。
あの丸い証明器具はもともとニセモノから知ったので「イサム・ノグチ」の作品だと知ったのはつい最近の事でした。悪気はなかったけど、設計者の反応が面白くてつい冗談を言ってしまいましたぁ。