2006年07月18日

060718 ガレージの内装について

 今日も雨。外壁工事が進まない。そろそろ梅雨が明けても良い時期だが、今年は結構雨が多いみたいだ。
外回りの遅れは気になるところだが、内部の工事は順調に進んでいるようである。今日も施主から現場の写真が送られてきた。
 写真は、ガレージの内部である。天井、壁ともケイ酸カルシウム板(仕上げなし)となっている。
071801.jpg
本来は、壁をOSBで仕上げたかったのだが、確認申請時にガレージは内装制限の対象といわれた。
 今まで、このように住宅の一部にガレージを組み込んだ建物は自宅も含め、いくつか行っていたが、住宅のガレージに内装制限をしろといわれたのは、はじめてだった。
 当然、設計者としては納得できなかったので、審査機関とかなり論議したが、結論としては、茨城県では内装制限をおこなうと押し切られた。二項道路の件といい、茨城県には独自の解釈が多いようである。

これ以上詳しく知りたい方は、続きをどうぞ・・・。論点は、下記の通り。

・住宅のガレージは内装制限が必要かどうか(車庫付住宅は特殊建築物か)

計画建物は、1Fにガレージ(19.87u)があり、現在の内装は壁:OSB、天井は梁露出となっていました。
審査機関の担当者は、用途が自動車車庫なので、令第128条の4の二 自動車車庫又は自動車修理工場の用途に供する特殊建築物 だといい、内装制限が必要といっています。

当方は、主要用途は住宅で、それに付属している車庫であるため、上記の特殊建築物には該当しないので内装制限の必要なしと主張。

つまり、担当者の解釈では、次の129条2号にて

2 前条第1項第二号 に掲げる特殊建築物は、当該各用途に供する部分及びこれから地上に通ずる主たる通路の壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを前項第二号に掲げる仕上げとしなければならない。

とあり、これはあくまでも特殊建築物への規定であり、車庫付の住宅は特殊建築物だということになります。

特殊建築物とは、学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様とする。)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいいます。

なお、自動車収納のための車庫については、建設省の通達(昭和36 年1月14 日付住発第2号)で、床面積30 u以下で、ガソリンの貯蔵等が無く、側面が開放されたものについては自動車車庫として取り扱わないとされてるのは調べましたが、側面の開放規定は平成5年建設省告示第1427号に準じるようです。

□平成5年建設省告示第1427号
建築基準法施行令第136 条の9第1号の規定に基づき、高い開放性を有する構造の建築物又は建築物の部分を次のように定める。

一壁を有しない建築物
二次に掲げる基準に適合する建築物又は建築物の部分

イ建築物又は建築物の部分の常時開放されている開口部の面積の合計が、その建築物又は建築物の部分の外壁又はこれに代わる柱の中心線(軒、ひさし、はね出し縁その他これらに類するものがある場合においては、その端。以下同じ。)で囲まれた部分の水平投影面積の6分の1以上であること。

ロ高さが2.1 メートル(天井面又ははりの下端が床面から2.1メートル未満の高さにある場合は、その高さ)以上の常時開放された開口部の幅の総和が外壁又はこれに代わる柱の中心線の長さの4分の1以上であること。

ハ建築物又は建築物の部分の各部分から外壁の避難上有効な開口部に至る距離が20 メートル以内であること。

今回の設計では、開放部分はないので、論点は住宅に附属の車庫は特殊建築物かどうかに絞られ、次のような質問書を審査機関に送りました。
内装制限について
下記の事項について、今後の申請のためにも整理したいので、ご回答を御願いします。

□質問内容
  住宅の附属車庫が単体規定上の特殊建築物に該当するかどうか
(附属建築物として車庫がある建物は、すべて特殊建築物として扱うかどうか)

 □質問の経緯
1.計画建物は、1Fにガレージ(19.87u)があり、現在の内装は壁:OSB、天井は梁露出となっています。
 ガレージは、建築基準法上、自動車車庫に該当するので、令第128条の4の二 により内装制限が必要との指摘をいただきました。
   
2.当方の見解では、この規定は、あくまでも特殊建築物に対する規定であり、当該建物の主要用途は住宅で、それに付属している車庫であるため、特殊建築物には該当しないと考えており、内装制限の規定は適用外と判断していました。

 □論点の整理
 
 1.「その用途が建物の一部分の場合」の考え方
例えば、オフィスビルの地下や1階に物販店等が入る場合として「ごく軽易なタバコ販売店等は10平方メートル以内の場合特殊建築物とはみなさない」という旧・建設省の有権解釈があります。
一般的にはオフィスビルの社員食堂なども特殊建築物扱いはしていません。
消防法の防火対象物の場合も同様に、下記のように基準法と同じ扱いです。


□事務所ビルの1階に小規模のタバコ販売店が存する場合の当該ビルの取扱いについて
 (昭48.10.23消防予第140号消防安第42号予防課長・安全救急課長から各都道府県消防主管部長あて回答)
問:令別表第1(16)項イに掲げる防火対象物の判定に関して事務所ビルの1階に店員1名程度のタバコ販売店が存する場合、この販売店は同表(4)項に該当し当該ビルは同表(16)項イに掲げる防火対象物に該当すると解してよいか。

答:設問のタバコ販売店は事務所ビルに従属するものとして取り扱われたい。

つまり、特殊建築物とされる用途の一部が特殊建築物ではない建物に附属しているという形態だけでは、その建築物全体を特殊建築物として扱わないということになります。

 2.自動車車庫が特殊建築物になっている理由から考察する場合
 自動車は、ガソリンタンクがあり、火災の恐れがあるため、主要用途が自動車車庫であれば、内装を制限する必要はあると思われますが、住宅の附属車庫で、しかも1台程度しか駐車できない小規模の車庫に対して内装の制限が必要か疑問です。
 実際にこのような車庫において、自動車から火災が発生した件数が年間どのくらいあるのかも疑問であり、安全側で条文を解釈するには、例えば、防火地域でない建物でも延焼の恐れのある外壁等は不燃にしなければならないと言えるでしょう。

□参考資料

1.自動車収納のための車庫については、建設省の通達(昭和36 年1月14 日付住発第2号)で、床面積30 u以下で、ガソリンの貯蔵等が無く、側面が開放されたものについては自動車車庫として取り扱わないとされているようですが、当該計画では、側面が開放されていませんので、この通達には該当しないと思われます。

すると、数日後、電話にて下記のような回答をもらいました(文章で出して欲しいと要望するもできないとのこと)。

当方としては、内装制限に該当すると判断する。
特殊建築物の件に関しては、令128条の4 二 自動車車庫又は自動車修理工場の用途に供する特殊建築物の解釈は自動車車庫で文章が切れており、用途として自動車車庫が該当する(特殊建築物は自動車修理工場にかかる)。

担当者も「条文の解釈の仕方ですし、茨城県内はすべてそうしていますから」と歯切れの悪い説明でした。
でも・・・そんなことで引き下がりはしません。
そもそも内装制限は、法第35条の2において別表第1(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物と明記されており、特殊建築物にかかる制限であると再度主張しました。

 茨城県では、附属の車庫があれば、すべて特殊建築物になるという回答をもらえれば、施主にその旨の説明ができるが、理由が明確でなく、内装制限をすると図面に記載することはできないと伝え、設計者が納得した上で施主に説明し、変更するなら変更を行うというと、担当者は、「ちゃんと回答しないとだめですかねぇ。私も勉強不足でそこまで突っ込まれるとわからないんですけど。すみませんがもう少し時間をください」ということになりました。
 ところで、天井の露出梁に関して、内装制限はどう考えるのかを質問すると、FAXで何かの解説本のコピーが送られてきました。それには、次のような文章が記載されており、結論からいうと天井の1/10以下の見付面積なら対象外となるようです。
内装制限が適用される 壁スは 天井の部分に 柱 ・はり等の木部が露出する場合で、 柱 ・はり等の室内に面する部分の面積が各面の面積の 10 分の 1 を超える場合は、当該柱又 ははり等の部分も 壁又は天井の 一部とみなして 内装制限の対象 として取り扱うものとする。
図としては、和室の断面が描かれており、天井は竿縁(天井面の1/10以内の見付面積)壁には、鴨居と柱に対して(各壁面の1/10以内の見付面積)となっています。

なお、担当者に「面積を計算した根拠を図面に記載するのか?」と問いただすと、「これに関しては、見ればわかるので、設計者の判断と言うことで不要です」とのことでした。

これらのことを考えても、やはり附属車庫の内装制限は納得できないのですけどね。

で、数日後、再度電話にて最終判断が下されました。

当該計画における自動車車庫は、自動車車庫部分のみ特殊建築物として扱うため内装制限は必要である。
つまり、住宅の附属建築物であってもその部分のみ特殊建築物扱いをするそうです。
 これに関しては、土浦市の建築指導課とも協議の上、決定したとのことですので従うことに同意しました。

 本来、第一種低層住居専用地域には、自動車車庫の用途は、建築できず、附属するものとして認められるわけです。
 法の主旨からすれば、低層の住環境にあわない建物を規制しており、特に特殊建築物を制限すると思っていたのですが、附属建築物を特殊建築物扱いにするとは思いませんでした。
 今回の建物形状は車庫と一体ですから、附属建築物とはいえず、住宅の一部分のみ特殊建築物という判断となります。

ということで、私個人としては、納得していませんが、確認申請がおりないと着工も出来ないため、施主に一連の流れを説明し、壁の仕上を変更しました。

茨城県で車庫を計画する際には注意しましょう>設計者の方々
posted by F at 16:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ガレージの内装制限を検索していて
こちらにたどり着きました。

当方も滋賀県の某市にて
住宅の一部をガレージにしようと計画していますが
民間の検査機構から
同様の内装制限の指摘を受けたところです。

大変参考になる記事をありがとうございました。
Posted by s at 2011年08月12日 19:32
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